XERO FICTION 3rd Full Album [ POP OVERDOSE! ] Code: PZCJ-9 / Release: 2019.5.22.wed / Price: 2,500yen(+tax)

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XERO FICTION 3rd Full Album [ POP OVERDOSE! ] Code: PZCJ-9 / Release: 2019.5.22.wed / Price: 2,500yen(+tax)

1.Believe in my way / 2.The Voice / 3.Round and round / 4.Over the thousand night / 5.SEVENTEEN (remix ver.) / 6.Maiking the new world / 7.One by one / 8.Inst. / 9.I want you back / 10.Remember you… / 11.Silent Story (remix ver.) / 12.You & I

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MV: Believe in my way

POP OVERDOSE! TOUR

リリースインタビュー

-- まず、最初に少し振り返った話をお聞かせください。昨年3月にJun Gray Recordsから2ndフルアルバム『I Feel Satisfaction』をリリースされました。それまでとは違った反響もあったかと思いますが、いかがでしたか?

コウイチロウ よく「PIZZA OF DEATH、Jun Gray Recordsから出してどうだったの?」って聞かれるんですけど、つながりがなかったところとつながったりするようにはなりましたね。

ハルカ それまではずっとハードコア界隈でしかライヴもしてなかったんですけど、だんだんと変わってきて。やっぱり、決まったメンツとしか(ライヴを)やってなかったのがあんまり面白くないと思ってもいたし。今は、逆にハードコアと一緒にやる機会もあんまりなかったりもするんです。

-- バンドとしてそういった方向性に転換というわけでもなく?

コウイチロウ 誘われるライヴが変わってきて、自然と広がっていったという感じでしたね。それは望んでたことでもあったし、嬉しかったです。

-- 印象的なライヴはありますか?

コウイチロウ それこそ、『I Feel Satisfaction』をリリースする前ですけど、参加したV.A.『And Your Birds Can Sing II』(Jun Gray Records)のレコ発で、それまでやったことがないようなバンドと一緒になったんですけど、結構印象的でしたね。「楽屋で歌の練習するんだ!?」って思ったし(笑)。

ハルカ 私、やったことなくて。だから、「ヤバい!」って思ったけど、その場でするのは恥ずかしくて……駐車場へ行って発声練習した気がします(笑)。

コウイチロウ あと、ライヴ前には酒を飲まないんだなとか、そういう文化の違いを肌で感じたりもして(笑)。

-- シーンによってムードは結構違いますしね(笑)。女子バンドマンとの関わりも増えたと思いますが、刺激や驚きがあったりも?

ハルカ そうでしたね。みんな上手だし、昔からちゃんとした練習をしてきてるんだなって。そういうのを考えたことがなかったけど、衝撃も受けたし、ちゃんと練習しなきゃと思うようになりました。バンドへ対する気持ちも変わりましたね。

コウイチロウ リリースを重ねていくだけでも、より良いモノを作りたくて、演奏、曲作り、音質とか気にするわけですけど、そういったところもよりシビアになってるのかなとも思います。

-- 活動が広がる中で、改めて大事だと感じた部分はありましたか?

ハルカ いろんな人に知ってもらいたいんですけど、私たちはパンクが好きというところから始まってるわけで。そこは忘れちゃいけないなと。ポップになり過ぎないというか、J-POP寄りになり過ぎないということですかね。歌詞もそうなんですけど、世の中に受け入れられる程度のパンク感を残しつつ、普通になり過ぎないようにとは考えますし。難しいんですけどね、そこが。

-- そのあたりはコウイチロウさんも意識してます?

コウイチロウ そこまでは意識してないけど……パンクにまったく触れなくなるわけじゃないし。やってる音楽自体は、そういうパンクとは言い難いモノになってるかもしれないけど、(パンクが)抜けてないところというか、自然とにじみ出ればいいかなと考えてますね。

-- 以前よりも音楽的な興味が広がったり、掘っていった部分は何かありました?

コウイチロウ 僕、アイドルの音楽が昔から苦手なんですけど、ちょっと耳にしてみたらいいなと思ったりもして。

-- それって、どのへんなんですかね。

コウイチロウ いや、誰かまではわかんないっす(笑)。

-- ハハハハ(笑)。たまたま聴いてみたら、意外と良かったみたいな。

コウイチロウ YouTubeの関連動画で出てきて、ちょっと聴いたぐらいなんで。だから、強いて挙げるとすれば、っていう。まあ、そんなに好きっていうわけでもないし(笑)。

ハルカ 私は普通に街中だったり、ラジオで流れてる曲を結構聴くようになりました。昔は全然気にしなかったんですけど、「最近はどういうのが流行ってるのかな?」みたいな。

-- 刺さったバンドやアーティストはいました?

ハルカ ラジオで聴いていいなと思ったのがビッケブランカですね。あの人も鍵盤を弾きながら歌いますし、ライヴも観に行かせてもらったら凄い迫力でした。

-- そういった興味が広がっていく中で今回の新曲たちも生まれていったんですか?

コウイチロウ 曲に関しては、『I Feel Satisfaction』をリリースするときにはできてたモノも多くて。だから、この2年ぐらいの間、曲ができてはレコーディングをして、っていうのを繰り返してたんですよ。

-- 相変わらず、XERO FICTIONは制作ペースが早いですね。

コウイチロウ 僕の場合、それ以外はやることもなくて(笑)。飲みに行くか、銭湯に行くか、曲を作るか、みたいな。

-- ハルカさんも同じような感じですか?

ハルカ いや、私は全然ですね(笑)。思い立って作らないとなかなかできないし。

コウイチロウ だから、宿題みたく「いつまでにこういうのを作ってね」とハルカへ僕からお願いすることが多いんですよ。

-- ちょっとプレッシャーがかかった状態の方がアイデアが生まれやすいような。

ハルカ そうですね。何もないと、ズルズルと期限を伸ばしちゃうタイプなんで(笑)。

-- そういう意味では、先頭を切ってハイペースで制作するコウイチロウさんがいると、バンドとしていい流れが保てますよね。

ハルカ そこがあって、(バンドが)やれてる感じもあります。

コウイチロウ メンバー5人いるわけですけど、曲を作るとランクが上がるんですよ。

-- ランクですか!? それが上がるといいことがあったり?

コウイチロウ ライヴのとき、機材を運ばなくてもいいとか(笑)。

ハルカ それ、勝手に決めてるだけやん(笑)。

コウイチロウ 今回、ハルカは2曲で、僕が9曲とかなんで、それぐらいポイントとして差があるという(笑)。

-- そうなると、ハルカさんは女性ですけど、意外と機材の搬入や搬出で働かないといけないという。

ハルカ 率先してやってます(笑)。

-- コウイチロウさんは、ちょっと疲れてたら休んでいいみたいな。

ハルカ いや、疲れてなくても(コウイチロウは)運ばないです(笑)。

コウイチロウ XERO FICTIONはポイント制なんで(笑)。だから、今後は逆転するかもしれないわけですよ。それは嫌なんで、たくさん曲は作っていこうと思ってます(笑)。

-- ハハハハ(笑)。収録曲の多くは2年ほど前からできていたというお話でしたけど、作品の全体像も固まってましたか?

コウイチロウ まだ歌詞はできてなかったんですけど、テーマとしては日本語詞に軸を置いて作っていきたいなと考えてましたね。新たな試みでしたし、やってて楽しかったですよ。

-- 今回、ほとんどが日本語詞ですし、驚くファンも多いかと思います。そもそも、どうして日本語詞を取り入れてみようと思ったんですか?

コウイチロウ もともと、ハードコアパンクをやってきて、その次に(XERO FICTIONでは)ポップパンク系をやってみようと思い、新たにやりだして楽しかったんですけど、若干飽きてきたというか。毎週のようにスタジオへ入ってて、また同じようなモノを作っても面白くないし、新しい思考回路を使いながら、曲を作っていく方が刺激的でもあるじゃないですか。

-- 英語詞でやってきたバンドが日本語詞を取り入れる場合、いちばんの目的は聴いてもらう層を広げたいということがありますけど、それよりも自分たちに刺激を与えたかった。

コウイチロウ ただ、これは僕が考えてる意見というか。他のメンバーは、「ファン層が広がったら嬉しいな」とか、そういう意味でとらえてるヤツもいるだろうし。ハルカも「広がりそうだからいいね。やってみようか」と言ってましたからね。僕は英語詞の曲を聴いて育ってきたし、飽きてなかったら英語詞のままでもいいんですよ。だから、新しい刺激としてトライするっていうのが、いちばん最初の僕の目的ではあって。

-- 日本語詞を前提にすると、メロディーの作り方も違ったのかなと思いますが、そのへんはどうでした?

コウイチロウ もともと英語詞でやっていたといっても、ほとんどが日本語的な英語だったりもしたし、あんまり気にしなかったですね。ただ、作っていく中で「日本語と英語、それぞれに合うメロディーがあるんだな」というのはわかってきて。だから、まずは意識せずにバーっと作ってみて、その後「この曲は日本語詞だけど、こっちの曲は英語詞にしよう」みたいな決め方もしたんです。バンドとして、選択肢が増えたような感じでしたね。

-- 日本語詞を大胆に導入するのはハードルも高かったと思いますが、実際にやってみていかがでしたか?

ハルカ 最初はめっちゃ恥ずかしかったです(笑)。日本語詞は直球なんで、すぐ伝わっちゃうし。英語詞だと音や発音を気にしてたけど、(日本語詞は)意味がみんなわかるし、言葉を大事に使わないといけない。歌い方もまだまだ勉強中なんですけど、考えることが増えましたね。

-- 照れが出てくるような部分もありました?

ハルカ 今はもうないんですけど、やり始めたころはありましたね。「この言葉はちょっと使えないな」みたいなのもあったし、そういう言葉は歌詞にもしたくないから、違う言い回しを考えたりとか。

-- 日本語詞を書くとき、参考にしたり、影響を受けたモノは何かありましたか?

ハルカ 影響を受けたというのはあんまりないんですけど、どうやったら歌詞として成り立つのか、いろんな人の歌詞を改めて読んでみたりはしましたね。

-- コウイチロウさんは英語詞の曲を聴いて育ってきたというお話でしたけど、ハルカさんはどうでした?

ハルカ 私も日本語詞よりも英語詞の曲が好きで、ずっと聴いてきましたね。意味が入ってくる直接的な日本語が邪魔というか、いらないと思ってたんですよ。サウンド重視じゃないですけど、曲としての響きに惹かれるところが大きくて。だから、いざ日本語で歌うとなったとき、「私の日本語詞が聴いてる人にとって邪魔な存在になってるんじゃないか?」と考えたりもしましたね。

-- ハルカさんが書いた日本語詞について、コウイチロウさんはどう思いました?

コウイチロウ まあ、「こんなこと書くんだ!?」みたいな(笑)。

ハルカ ハハハハ(笑)。

-- 内容的には意外だった?

コウイチロウ そうですね。内容的な軸は英語詞のときに近いっちゃ近いんですけど、日本語で歌うことによって、マイルドにもなったし、微笑ましいみたいな(笑)。

-- それこそ、一緒にやってるメンバーに歌詞を見せるのも最初は恥ずかしいですよね。

ハルカ そうなんですよ。「こんなことを思ってるの?」とかなるじゃないですか。メンバーから「ちょっと歌ってみて」と言われたときも恥ずかしかったり(笑)。でも、歌詞については、メンバーといろいろ相談もしたりしてて。

コウイチロウ それが狙いだったというのもあるんですけど、そういう新しい作業も出てきたのが楽しかったですね。メンバーも英語なら聴き流してたところが、「こういう言葉の方がいいんじゃない?」とか、そういう指摘が出てきて。

-- 英語詞なら流れや響きでOKだったのが、日本語詞だと意味で引っかかるところが出てくるし、サウンドのアレンジと同じようにメンバー間のディスカッションが生まれたと。

ハルカ 自分の世界に入りすぎちゃって「そこの意味がわからないよ」とか「どういう表現なの?」みたいな意見が出てきたり。やっぱり、誰ひとりにも意味が伝わらなかったら(日本語詞にする)意味がないんで。そういったところで意見を聞けたのもよかったですね。

Vol.02へ続く
Interview By ヤコウリュウジ

-- 日本語詞が初披露となったのは、昨年4月にリリースした7インチシングル「SEVENTEEN/Silent Story」に収録した「SEVENTEEN」でした。反響的なところはどうでした?

コウイチロウ それまでも日本語詞でやることを勧める人が結構いたし、「こっちの方が合ってるね」と言ってくれる人が多かったですね。

ハルカ ライヴでやってみると、日本語だからちゃんと伝わってるというか、「聴いてくれてるんだな」というのがより強かったです。英語詞とはまた違う、歌詞を受け取ってくれるというのを実感しました。

-- 日本語詞をメインにする上でいい自信にもなったような。

ハルカ そういった反応がないと、日本語詞にする意味がないとまでは言わないけど、ここまで増えなかったとは思うんで。「SEVENTEEN」でいい反響があったのはよかったですね。

-- 万が一、「SEVENTEEN」が不評だったら、日本語詞が減ってた可能性も?

ハルカ そうですね。

コウイチロウ でも、それはなかったかな〜。

ハルカ そうかな? 私、いい反響がなかったとしたら嫌だったかも(笑)。

-- まあ、気持ちとしてはそうなりますよね。

コウイチロウ でも、(日本語詞で曲を)作ることに軸を置いたら楽しかったし、不評でもたぶんやったでしょうね(笑)。やっぱり、新しい曲に日本語詞が乗るときがホントに楽しみでしたから。英語詞だったら想像できてた部分もあったけど、新しいトライにはワクワクしたんですよ。

-- 『I Feel Satisfaction』はJun Gray Recordsからのリリースが決まった段階で、すでにレコーディングが終わっていたという話でしたよね。今回の『POP OVERDOSE!』に関して、Jun Grayさんからアドバイスやリクエストがあったりは?

コウイチロウ 次の作品には日本語詞を入れるという話はしてたんですけど、特にリクエストは何も言ってなかったかな〜。(Jun Grayは)何をやっても褒めてくれるし(笑)。

-- Junさんらしいといいますか、めっちゃいい人ですね。

コウイチロウ いつもそうなんですよ。

ハルカ 何を作っても「あぁ、欲しかったヤツだ」みたいなことを言ってくれて。「そんなこと、言ってたかな?」と思うこともあるけど(笑)。

-- XERO FICTIONにとって、大事なモチベーターみたいな。

ハルカ まさにそうですね。メンバーはお互いに褒め合ったりしないけど、Junさんはライヴを観に来てくれると何かしら言ってくれるし、褒めてくれる。それがあることでモチベーションもアガるし、バンドにとってお父さんみたいな感じです(笑)。

コウイチロウ ホントにそう(笑)。

ハルカ もちろん、気になるとこはちゃんと指摘もしてくれますし、凄く大きな存在ですね。

-- そして、『POP OVERDOSE!』がリリースされるわけですが、完成した率直な感想や手応えはいかがですか?

ハルカ いろんな曲を入れたつもりなんですけど、どういう反応があるのか楽しみです。

コウイチロウ 日本語詞の曲もできるようになって、幅も広がって。手応えっていうと……こんなモノかなっていう。考えに考えてというより、サラッと作ったみたいなところもあるから。

-- 自然体で今のムードがまとまった作品というか。

コウイチロウ そうですね。特に終着点を決めずに曲をたくさん作っていって、その中で勝ち残った曲をまとめたら『POP OVERDOSE!』になったっていう。感覚としてはそういう感じだったりして。

-- 全体的に、バラエティの富んだだけでなく、軽快なポップス感が増した気もしますけど、そのへんは?

コウイチロウ たまたまですね、ホントに。そのときのバンドの気分が反映して、勝ち残った曲たちみたいなところだったりするし。あと、昔よりもいろんなところでライヴをするようにもなり、「こういう曲があったらライヴが進めやすいな」とか感じることもあって。そんなことを考えながら作った曲も中にはありますね。

-- また、日本語詞になったこともあり、より歌が前に出てくる印象も受けました。ハルカさんのヴォーカリストとしてのスキルアップも感じましたよ。

ハルカ ありがとうございます。日本語は聴きやすいのもあり、そのへんをもっと練習しないといけないなと思ったんですよね。そういう意識をしながらレコーディングしたところもあって、以前よりかは多少の成長はしてる……はず(笑)。

-- 『I Feel Satisfaction』のように、ちょっと無機質なヴォーカルも味があり、ニューウェーブ感が出て面白かったんですけど、『POP OVERDOSE!』はより歌の深みが出てきたような。ヴォーカリストとして、グッと存在感が増したと思います。

ハルカ 今まで、(ヴォーカルは)ダブルトラックでやってたんです。でも、今回はせっかくの日本語なんで、聴きやすい方がいいかなと思い、シングルで録りたいと考えて。

コウイチロウ ダブルでヴォーカルをレコーディングすると、80'sポップっぽく、機械的な感じになるじゃないですか。『I Feel Satisfaction』だったり、それ以前の作品もその雰囲気を狙ってたんですけど、今回は日本語詞にしたのもあって、音作りを意識してやりましたね。

-- では、収録曲についても伺っていきます。まず、MVにもなる1曲目の「Believe in my way」。オープニングを飾るにふさわしいゴキゲンなナンバーだと思いました。

ハルカ ただ、1曲目になることは全然考えてなくて。曲順は意識せず、ただ単純に疾走感のある曲がいいなと思って作ったんです。歌詞もわりと前向きというか、ちょっと青春っぽい感じで書いたのもあって、聴きやすいかなと感じてますね。

-- この曲に限らずですけど、日本語と英語が混じり合う歌詞が多いじゃないですか。日本語詞をグッと取り入れたバンドって、もっと日本語で語るような歌詞を書く場合が多いと思ってて。

コウイチロウ あ〜、そういう歌詞はちょっと嫌でしたね。

-- そういう意味では、これまでのサウンド感を上手く引き継ぎながら、日本語詞を乗せてるなと。

コウイチロウ 僕のリクエストでもあるんですけど、BOØWYみたくして欲しいっていうのがあって。

ハルカ 言ってた、言ってた。

コウイチロウ それがXERO FICTIONにおける日本語詞のわかりやすいテーマというか。これぐらいがちょうどいいんですよ。日本語だらけになるより、ちょっと英語が挟まってて、くどくどしくない程度がいちばんいいかなと。

-- 聴いた印象として、妙な重たさがなかったんですよね。

コウイチロウ それを狙う為、わかりやすくイメージを伝えるのにBOØWYを挙げたんです。あまりにもシフトチェンジすると、昔から聴いてくれてる人は「えぇ!」となるかもしれないし。

-- 歌詞はハルカさんが担当してるわけですが、そのリクエストは難しさもありましたよね。

ハルカ そうでしたね。それに、私はBOØWYを通ってなかったんですよ。だから、最初にBOØWY感と言われても「どういうこと?」みたいな(笑)。まず、「何がBOØWYなんだろうか?」というところから始まったし。コウイチロウは「大丈夫。そのままでイケるから」と意味のわからない言葉をくれたんですけど(笑)。

コウイチロウ ハハハハ(笑)。

ハルカ なるべくベタっとならないように、へんに飾りすぎず、みたいなところは意識して書きましたね。

-- ちなみに、それぞれお気に入りの曲はありますか?

ハルカ 私は「Over the thousand night」が好きですね。

-- ゆったりと歌い上げる曲ですね。

ハルカ シンセを結構頑張って、重ねて重ねて入れたりもして。ダンスナンバーじゃないですけど、ノリを出して、みんなで踊れたら楽しいかなと思って作ったんです。歌詞はちょっと切ないんですけど。

-- でも、そのコントラストもいいなと思いましたよ。僕は「Round and round」が凄く好きなんですけど。

コウイチロウ その曲、周りでもそう言う人が多いんですよ。Jun Grayもそうだったし。

-- XERO FICTIONらしいポップセンスが爆発してて、いい曲だと思います。

コウイチロウ でも、個人的に(「Round and round」は)あんまり好きじゃなくて(笑)。何も考えずに作ったから、「これでいいのかな?」っていうのがあるんですよ。

-- ハルカさん的にはどうですか?

ハルカ 実は、「SEVENTEEN」はドランキーとコウイチロウが書いてくれたんで、私が初めて日本語詞を書いた曲なんですよ。楽しかったのもあり、思い入れがありますね。

-- 何も考えずに作ったという話ですけど、どんな状況だったんですか?

コウイチロウ 自宅の下に自販機があって、その音がうるさくて眠れない日があったんです。時間潰しじゃないけど、ヘッドホンをして適当にギターを弾いて曲を作ってて。それなりに時間も経ったから「もう落ち着いたかな?」と思ってヘッドホンを外したけど、まだうるさかったから、どんどんギターやベースを重ねてるうちに曲として完成しちゃったんですよ。で、メンバーに聴かせて、収録することになったみたいな。

-- ハルカさんのヴォーカルにかかってるオートチューンのエフェクト具合も耳に残るし、凄く引っかかる曲だなと感じました。

コウイチロウ 適当に作ったからかな(笑)。

ハルカ 実はこの曲もMVにするんですけど、(コウイチロウは)凄く渋ってて。全体を通して聴いてみると、いちばんパンチがあるのが「Round and round」だと思うし、みんなで「これがいいよ」と言ったんですけど、最後まで納得しなかったですね(笑)。

コウイチロウ 今でも納得してないんですけどね(笑)。

-- もう、納得しましょうよ(笑)。

コウイチロウ いや、曲の出来が悪いわけじゃないし、そんなつもりはないんですけど、自分的に引っかかってるところもあって。

-- では、改めてコウイチロウさんのお気に入り曲はどれになりますか?

コウイチロウ 基本的には速い曲が好きなんで、「Making the new world」。理由は速いっていう(笑)。

-- 「Making the new world」はコンパクトにまとめたパーティーチューンかと思いきや、しっかりと展開と深みがある面白い曲ですよね。

コウイチロウ コード感も工夫して作りましたね。だから、その工夫した感、「Round and round」にはないんですよ。他の曲でも随所でこだわりのポイントがあるけど、そういうところで「Round and round」は思い入れがないんだと思います(笑)。

-- なるほど(笑)。この「Making the new world」では男性ヴォーカルも入ってますけど、これはコウイチロウさんが?

コウイチロウ あれはフートンですね。

-- ツインヴォーカル的な展開かなと思ったんですけど、通して聴くとそうではなく。その分、いいアクセントになってると感じました。

コウイチロウ そこも意識して作りました。

-- XERO FICTION的にはツインヴォーカルというアプローチもあったり?

ハルカ そうですね。最初、フートンはもともとヴォーカルをやってたから、加入する時点で「これで2人で歌える」と私は勝手に思ってもいたし。

コウイチロウ それこそ、フートンだけが歌う曲があってもいいと思ってるんですよ。だから、「Making the new world」も男性キーで歌えるように作ってもいて、ハルカはハモりで入ってくるようなイメージ。ただ、最終的にはハルカがメインで歌う形にはなったんですけど。

Vol.03へ続く
Interview By ヤコウリュウジ

-- また、「Inst.」というインスト曲も収録されていますけど、これはどういったアイデアだったんですか?

コウイチロウ その次に収録されてる「I want you back」に関して、その前に何かあったらより雰囲気が出るかなと考え、つながるように作ったんです。だから、「I want you back」の為のインストという感じだったりもして。

-- ある意味、「I want you back」の序章的な。

コウイチロウ そうです、そうです。

-- この「Inst.」、なんだか違和感があるような終わり方してませんか?

コウイチロウ ありますね。それを狙ってたわけじゃないんですけど、雰囲気として「I want you back」へつながればいいだけなんで、気にせずそのままにしてます(笑)。他のメンバーからしたら、上モノを重ねていく感じだったし、この曲がいちばん全貌が見えてなかったかもしれないですね。

-- 「I want you back」は馴染みの良いポップナンバーになりました。

コウイチロウ 久々にシャッフルの曲を作ってみようと思ったんです。もともと、結構そういうのもあったんですけど、ライヴでやると難しくて。あんまり最近は作ってなかったので、やってみました。

-- あと、コーラスが凄く耳に残るなと。

コウイチロウ このコーラスは後でつけ足したんですよ。

ハルカ その方がノリも出るし、みんなで歌えるように、って。

コウイチロウ そういう曲、結構多いですね。レコーディングの前々日ぐらいに「やっぱり、コーラスを入れようか」みたいな。

-- そういった直前のアイデアも取り入れながらレコーディングをしてるんですね。

コウイチロウ 一気に録るわけじゃなくて、短い期間を繰り返してやってるのもあるし。その都度、考えながら何かつけ足すようなこともしてますね。

-- 「Remember you...」も凄く気になる曲でした。もはや、アニソンぐらいのポップさが際立ってるなと。

コウイチロウ これ、どうやって作ったんだっけな。たしか、3年か4年前ぐらいに作ったんですよ。(収録曲には)最近できた曲もありますけど、「Remember you...」はそれぐらい前だったりもして。何がどうだったのか思い出せないところがあります(笑)。

-- ハハハハ(笑)。世間にも響きやすいポップさを感じたんですけど、後ろで鳴ってるギターがひと筋縄でいかない感じだったりもして。パンクロックやハードコアがベースの部分にあるからこそ、にじみ出るニュアンスだし、XERO FICTIONらしいアプローチだなと思ったんです。

コウイチロウ そうですね。さっきも話したように、パンクとかを聴いてる影響が出ないようにしてるわけじゃないし。そのへんは自由にして、「うるさくて速い方がいいよね」となったら、そういう風にもしたりしますから。J-POPに寄り過ぎるとか、そういう音楽をあんまり聴いてないからわからない部分もあるけど、自分たちの色を足していって、あんな感じの曲になったのかなと思います。

-- 作品の最後をどう持ってくるのかが気になってましたが、「YOU&I」は王道と言いますか、スケール感のあるXERO FICTION流のバラードでした。奇をてらうことなく、真正面から締めくくったのはバンドの自信の表れかなと想像しましたよ。

コウイチロウ いつも、曲順へのこだわりがあんまりなくて。いろんな人から意見をもらって、こういう王道な終わり方は今までやってないし、バラードで締めるのも面白いかなと。

-- ヴォーカルとして、こういう曲はまた違った難しさがありますよね。

ハルカ そうでしたね。バラードだと、聴いてる人も凄く気持ちが入るじゃないですか。だからこそ、どう伝えられるかを考えて、大事に歌わないといけないし。そうじゃないと、曲を台無しにしちゃうから。

-- チャレンジ的な意味合いも?

ハルカ ありましたね。日本語詞のバラードは人の胸に響く曲になるし、凄く意識しました。

-- 日本語詞の曲について話を伺ってきましたが、「The Voice」と「Silent Story」の2曲は英語詞ですね。

コウイチロウ これは、単純に「日本語じゃないな」と思ったんです。なので、そのまま英語詞でいきました。

-- 「The Voice」の歌詞を読むと、ロマンティックな話かと思えば、「Pity the weak!( 弱者を労え ) Where do you work?(誰のために働いている?)』という強い言葉が飛び込んできて。XERO FICTIONのパンク感が強く表れてるなと感じました。

ハルカ そこは意識しましたね。英語詞だからこそ、強く言える部分があるじゃないですか。これを日本語で書いてしまうとキツすぎるというか、パンクすぎてしまうだろうし。ここは英語で表現できたのが良かったなと思いますね。

-- これだけ『POP OVERDOSE!』の曲が日本語詞ですと、ライヴのセットリストも同時に日本語詞の曲が多くなっていきますよね。

コウイチロウ ライヴで何回かやってみたんですけど、英語詞がメインのときより、お客さんが曲を聴いてる感が凄く伝わってきて。やってて、面白いですよ。

ハルカ 歌ってても、しっかり聴いてくれるから、お客さんとも共感とまではいかないのかもしれないけど、ともにライヴをやってるというのを最近は凄く感じてますね。前までは、一方的なところもあったというか。

-- 曲をフロアに対して飛ばしたり、ぶつけるような。

ハルカ そうですね。そこから、一緒に楽しむというのが少しずつできるようになってきたのかなと思います。だからこそ、もっともっと楽しくできたらいいなとも考えていて。

-- そのムードが楽しみですが、リリース後に関して、ツアーはどういった形になりそうですか?

コウイチロウ リリースしてから1本目のライヴが浜松窓枠でKen Yokoyamaとなんですけど、ツアー名義でバーっとやるというよりかは、いろんなところへお邪魔させてもらうみたいな感じが多いですね。ただ、自主企画は何本かやって、12月の末に東京 下北沢 THREEと名古屋 QUATTROでワンマンをやろうと思ってます。

-- そうなると、ライヴ自体も随時増えていくような。

コウイチロウ そうですね。『POP OVERDOSE!』とワンマンのチケットを持って各地へライヴをしに行きながら、最後にワンマンで締めくくりたいなと。

-- ちなみに、『I Feel Satisfaction』をリリースする際には『POP OVERDOSE!』の大半の曲はできてたという話でしたよね。現状、制作的なところはどこまで進んでるんですか?

コウイチロウ だいたいで言うと、作品をリリースするときにはもう1枚を作れるぐらいの曲はありますね。だから、次の作品の形もなんとなく見えてはいる状況です。

-- ハルカさんはいかがですか?

ハルカ いや、私はできてないです(笑)。

コウイチロウ ここから「こういう曲を作ってくれ」ってお願いする、いつものパターンですね。

ハルカ ある程度、曲が出揃ってくると「すでにある曲じゃないヤツを」みたいなリクエストをもらうんで(笑)。

-- それこそ、年末のワンマンへ向けて動いていく中で、いろんなアイデアも生まれるでしょうしね。実際、ここまで日本語詞がメインになるなんて思ってなかったですから。

コウイチロウ そうなんですかね。

-- 何曲かはあるにせよ、ほぼほぼ日本語詞というボリュームには驚きました。

コウイチロウ なるほど。これから『POP OVERDOSE!』を買って聴く人がいるわけで、そういう風に驚く人がいるかもしれないけど、もう僕らの中では(日本語詞がメインなのは)スタンダードになってるんですよ。だから、不思議な感じもあったりして。「英語詞に戻してもいいかな?」と思ったりすることもあるぐらいだし(笑)。でも、楽しみですね。日本語詞になったけど、そんなに大きな変化はないと個人的には思ってるから。

-- 日本語詞に舵を切ったバンドって、良くも悪くも違和感が生じる場合が多いですけど、XERO FICTIONはそんなこともないんですよね。

コウイチロウ 僕もそう思ってます。単純に聴いてくれる人の幅が広がってくれれば嬉しいですね。

-- これからに関して、新たにやってみたいことはありますか?

コウイチロウ ドローンを使ってMVを撮りたいです(笑)。

-- バンドに関係はしてますけど、そうきましたか(笑)。

コウイチロウ ハハハハ(笑)。最近、テレビでもちょっとしたシーンで使ってるじゃないですか。あれ、いいなと思ってて。ちょっとネットで検索してみようと思います(笑)。

ハルカ 私は昔から思ってるんですけど、教会でライヴをしてみたいですね。

-- めちゃめちゃ似合いそうですね。

ハルカ あと、意外とやってないことで、路上ライヴというのがあって。

コウイチロウ たしかにないね。

ハルカ 知らない人たちが(XERO FICTIONを)観てどう思うんだろうというのもあるし、自分たちがどんな心境でやれるのか。そこは挑戦みたいな感じもあって。自分たちが初心に返るじゃないですけど、やってみたいなと思ってます。

コウイチロウ ただ、最終的な目的地としては、自分たちが楽しければいいんです。もちろん、たくさんの人に聴いてもらいたいし、いい場所でライヴしたいというのはあるんですけど……やっぱり、それも自分たちが楽しい範囲じゃないと嫌だし。

-- でも、ファンからすれば、バンドには自分たちに自信を持って胸を張ってもらえないと好きになれなかったりもしますからね。

コウイチロウ そう感じてもらえるんならば。自分たちが楽しいと思うことで広がっていくのがいちばん最高ですからね。

Interview By ヤコウリュウジ